子宮けいがんワクチン

12月議会で審議したもののうち、「子宮けいがん、肺炎球菌、ヒブ」の3ワクチンの接種事業と言うのがありました。

これは、とりわけ公明党さんが力を入れて取り組んでおられたものですが、国の補正予算では反対されていたので、何かあったのかな?とも思っていたのですが、県で受け止めてみると、いろいろと問題がありました。

最大の問題は、「定期接種」という、今後続けて国民全員が予防接種を受けられるようにしたのではなく、あくまで「任意接種」のまま、今回はそれを「補助」するという、「とりあえず」的な対応だったことです。私も「定期接種」にすべきと主張しておりましたので、ここの部分は改善を求めたいのですが、とはいえやらないよりはやる方がましなので、より良くするにはどうするかと言う視点で当局と議論を重ねました。

第二の問題は、「3ワクチンを補助するかどうかは市町村の自由。市民負担を取るかとらないか、いくら取るかも市町村の自由」という制度設計になっていたことです。地方分権だか何だか知りませんが、こういう事だけ地域に判断を任せて、肝心なことはやらせないという、本当に中途半端な国の対応です。これは県で何とかするしかないと思い、知事に詰め寄って、「静岡県内については、全県民が、無料で、3ワクチンの接種を受けられるよう、知事名で全市町村に強く要請する」という答弁を引き出しました。これで静岡県内は安心ですが、他県においては受けられない人も出ることでしょう。いかにも中途半端で無責任な国の姿勢だと呆れてしまいました。

第三の問題は、12月議会の最中に補正予算を出してきたことです。国がなんやらかんやらと問題を起こして国会が空転しているのは仕方がありませんが、こうした「実施は県や市町村が行う」ものを、12月に出すなんて、地方の現状を知らないんだな、と思いました。静岡県は急いで議案にして県議会に上程しましたが、この「ワクチン事業」なんて、議案上程時には「国からの説明がありませんので、詳細は分かりませんが、迅速が対応が必要なので乗せ込みました」とのことでした。
ちなみに、議案提出の翌日が国の合同説明会だったようです。
県議会は受け止められましたが、県内の市町村はすでに閉会しているところがあり、議案にできずに終わったところもあります。1月に臨時会が開ければいいのですが、それにしても対応が遅れることは間違いありません。

こうした「ワクチン接種」など、市民県民に直接関係する議案は、実施のための事務処理や医療機関への説明など時間がかかるため、これまでみたいな「出たとこ勝負」の政府の姿勢では、かならずほころびが出ます。
いまのように政府が機能低下を起こしている局面では、県の役割が重要だと言うことにあらためて気づきました。

年末にかけて、経済問題、企業などの破産問題など、いろんな問題が発生する事が予想されます。
そうしたときにも動じないように、県が「スーパー中間管理職」として、市民・県民に迷惑が及ばないように、しっかり仕事をしてゆきたいと思っています。

また皆さんのご意見をお待ちしています。


この記事へのコメント
秋山です。

政令市ができても、県が「スーパー中間管理職」としてがんばるのは良いことですね。

ただし、県に2兆円の負債があることを考えると
①「ふじのくに」の財政再建
②産業支援による持続可能な「ふじのくに」の構築
③安心安全快適な世界の誇れる「ふじのくに」の創造
が必要かと思います。

がんばりましょう。
Posted by 秋山雅弘 at 2010年12月25日 20:06
秋山さん、いつもありがとうございます。

やっと宿題であったホームページの更新にめどが立ちました。
来年1月1日から更新したいと考えています。

12月議会を乗り切って、県が果たすべき役割を再認識できました。
ブログでも書きましたが、「スーパー中間管理職」ですね。

上がいい時、あるいは下が目的を持って伸び伸び仕事しているときは、中間管理職は暇です。それはそれでいいんです。

しかし、上が混乱していたり、下が目標を見失ったときは、中間管理職の出番になります。そういう意味では、セーフティネットですね。あるいは安全保障的なものかもしれません。出番がないのが平和で一番いいと。

いまは、出番になったんだと思っています。
与えられた役割をしっかりと果たしたいと思います。

年始からは選挙も本格化しますので、またぜひ力を貸してください。

よろしくお願いします。
Posted by 大岡敏孝 at 2010年12月26日 01:00
もうかなり過去ログですが...
ネットサーフィンして見つけ、拝読いたしました。

肺炎球菌やHibについては無料での接種になったことはありがたいなと思います。

しかし、子宮頸がんワクチンについては正直、前者と同じフィールドで唱えてこられた事に大変疑問を感じます。

副作用の確率が大変多いこのワクチンを地方自治体が定期接種にして接種を推奨するのは大変危険だと感じますが、大岡さんはどのようにお考えでしょうか???

また、お嬢さんが今年、接種の対象年齢の筈ですが、政治家が言葉に責任をもつ、という意味で考えればお嬢さんには接種されるんでしょうか?
Posted by のあ at 2013年08月15日 17:25
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