今日はちょっと趣旨を変えて、ずっと私を応援してくださっている方からのメールを紹介したいと思います。この方はAさんといって、学歴が高いだけでなく、周囲の方からの信望が非常に厚くて、それだけに女性にもモテる方です。
私の兄貴分みたいな方なので、私も非常に尊敬しているのですが、今の格闘技ブームの中、スポーツマンシップや人間性について鋭く洞察されているので、皆さんの参考になるかと思いまして・・・
私も読んで、背筋を伸ばしました。
以下引用~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「子どものけんか」
最近流行の格闘技の中で、ボクシングの亀田三兄弟が面白い。見ていて「子供のけんか」を連想させてくれる。子供の頃けんかの弱かった男が子供だけは強く育てたくて、子供がけんかすると乗り出してくる。普通に考えれば子供のけんかに親が出てくるほど馬鹿な話はないが、それをテレビ局も新聞も盛り上げているようだ。他に話題はないのだろうか。
世も末と言うべきか。
そんな中6月26日付け毎日新聞の「闘論」に面白い内容があった。ボクシングマガジンの元編集長原功氏と、元世界チャンピオンの具志堅用高氏が、それぞれ「亀田ブーム」支持・不支持でインタビューを受けている。その中に面白い話がいくつかあった。
原氏の話の一部を引用する。「弱い相手とばかり対戦している」という世間の批判に対し、原氏は「温室栽培はマイク・タイソンらもやっていた方法で(中略)むしろ見習って欲しいマッチメークだ」と言っている。また彼らの不遜な態度や過剰なパフォーマンスに対しては「まだ10代じゃないか。今後人生経験を積めば、どういう態度や発言をすればいいか判ってくると思う」と言っている。
原氏は「亀田興毅 天下無双」という本を書き、彼らでメシを食っている立場だけに、どうしても甘いとしか思えない擁護論を言っている。10代でも礼儀正しい人間は山ほどいるし、彼らは若いうちにしっかり回りから礼節を教わっている。「今後人生経験を積めば」云々は、お金儲けのためには、目立つくらい傲慢でいて欲しいと思っている周囲の大人の責任を覆い隠そうとしているようだ。本当は一番大事な若いうちに、礼儀や、謙虚さ、人との関係などしつけるべきことは沢山あるはずなのに・・。折角人間として生まれたのに、闘犬として育ててその後はどうなるのだろうか。最近の子供の犯罪に何か繋がるようなものを感じる、マスコミによって作られた亀田ブームを助長しているようだ。
一方具志堅氏は二つ素晴らしいことを話している。「会見や計量で相手をにらみつけたり、挑発するような言動は慎むべきだ。ボクシングは選手が命がけで戦う素晴らしいスポーツ。ボクサーはリングの上では紳士であるべき」という。また「3兄弟とも父親を尊敬している。今の若者にしては珍しいし、素晴らしいこと。彼らの人気はボクシング界にとってはプラスだ。だが、このまま相手を選びながら内容の悪い試合を続けていたら、いつか人気は冷める。人間性を磨き、試合内容が良くなれば、亀田3兄弟ブームは続くと思う」と言っている。
本当にボクシングに人生を掛けた具志堅氏からの苦言と、今はフリーで亀田兄弟を利用しなければ仕事が減る原氏の意見。マスコミの人間はどちらを正論として聞いたのだろうか。
原氏はインタビューの最後に「怖いのは3兄弟が世界王座に届かず、挫折した時。世間の目は冷ややかなものに変わるだろう」と言っている。マスコミにいただけにその怖さを良くご存知のようだ。
その一言で原氏自身のの自己防衛はできている。マッチメークではなく、マッチポンプのようにブームを煽るマスコミも、ブームの後は次の題材を探せば、何にも心配はない。ただ、持ち上げられた上で、ただの人に戻る亀田家の親子はどうなるのだろうか。一時的にお金が稼げて、名声が得られれば、その効力で一生を過ごすのだろうか。