昨日は三方原学園の式典に参加しました。
もちろん式典だけでなく、新しくした寮や、私が市議会議員時代に造ることになった小学校、中学校の分校などを見てきました。
三方原学園って、何?という人もいるかもしれません。
教護院っていう施設です。今では「児童自立支援施設」というそうです。
簡単に言うと・・・悪意はないので誤解をしないでいただきたいのですが・・・少年院の一歩手前です。
悪いことをした子供たちや、事情により親と離したほうがいい子供たちなどが、家庭裁判所の判断で送られてきます。
もちろん、もっと悪いのは少年院に送られますし、教護院で非行をして少年院に行く子供もいます。
ちなみに・・・お役所的なことで言うと、教護院は福祉なので厚生労働省、少年院は刑務所系なので法務省が所管しています。
さてこの新しくしたという寮については・・・これまで住み込み主体でやっていたのですが、なかなか人材が集まらないことなどから、交代制にするために改造されました。本当は住み込みのほうがファミリー感が出ていいといわれています。同時に、交代制にすることで人件費が2倍以上に膨れ上がるとのこと。
私としては、手当の増額やもっと広い範囲からの人材の募集などをすれば対応できたのではないかと思っています。結果として人件費が二倍になり、アットホーム感も薄らいでしまうのであれば・・・手当の増額をしたほうがいいに決まっています。
確かに行革の時代の中、公務員の手当を増額するというと、そのタイトルだけが先走りして改革に逆行しているように報道されるかもしれませんが、現場を見ながら政策を考えると、そのほうがずっといい結果を出せることも多いんですね。
もちろんもう決まった話ですし、そのように寮を改造してしまったので、戻せないのかもしれませんが・・・今後の大事な検討課題です。
あわせて、学校のほうにも行きました。
これまでは学園の人が教鞭をとっていたのですが、分校扱いとすることで、市教委の先生が赴任してくれることになったのです。
先生に伺ったところ・・生徒の目が真剣で、学問、知識に対してすごくハングリーだとのこと。
同時にそわそわする生徒は少なく、他の普通の学校よりも学習態度は良いとのことでした。
ただ・・・誤解を恐れずに言えば・・・当然の結果なのですが、学力は低いのが現状です。
無理もありません。家庭環境などから、とてもじっくり勉強する生活じゃなかったんですね。
多くの子供が幼少時に虐待された経験を持っています。
あるいは、親の関係や、たまたま育った環境もの問題で、悪い友人に囲まれてきた子も多いです。
彼らは勉強の楽しさを経験せずに、非行に走ったり、親にやられたように年少者に性的なものも含めた虐待をしたり、そんなことを重ねて三方原学園に来ました。
ここにきて、安定した生活を送り、教室に座って授業を受けてみると・・・その面白さに驚くんでしょうね。きらきらと眼を輝かせて、先生にいろんな質問をぶつけてくるそうです。
ほかにももっと書きたいことはあるんですが・・・とにかく「子供は親を選べない」ということを痛感しますね。
子供の教育がどうのこうの・・・ということを言う前に、親がまともな親であるか、ということをもっと厳しく問わなければならないと思います。同時に、あいつがどうのこうの・・・というのではなく、その指を自分に向けて見なければならないと思います。
果たして自分はどうか・・・すべての人が自分に指を向けて、自分の姿勢を正せば、子供たちもみんな良くなるんだと思います。
良い親を作って、子供たちがすくすく育つ環境を整備する・・・今の時代であっても大変難しい課題ですが、ひとつずつ取り組んでゆきたいと思います。
一生懸命私たちをもてなしてくれた子供たちが、一刻も早く更生し、社会に求められる人材になってくれることを祈ります。