先日柏崎に行ってきました。
地震のあとの復興状況を確認しながら、現在7基すべてが停止している柏崎原発に行って、震災状況や設備などの復旧状況を見せていただこうと言うことです。
柏崎は、復興はしつつあるものの、まだまだ時間がかかりそうですね。写真は・・・ノリ面の部分を除いて、ほぼ復旧した、越後線の線路です。テレビなどでぐんにゃり曲ってしまったところが報道されていましたね。ノリ面と、その下の排水路の部分が、まだ工事中でした。
私がボランティアで入っていた地域はまだ一部に瓦礫が残っていました。壊れた家は撤去され、空き地になっているところが目立ちました。一部は、コストの関係で、手を付けられないビルも残っていました。まだまだ地震の爪あとを感じますね。
壊れた家が撤去されたあとの、空き地の一部は売りに出されています。おそらく高齢者が住んでいたところでしょう。
当時、高齢者世帯に水などを配るボランティアをしていたのですが、高齢の方々にとっては、また新たに住宅を取得する負担ができず、また老い先を考えても、高齢者マンションや施設の方が良いと判断されたのでしょう。
仮設住宅も地区ごとに作られており、まだ3000人近い方がこれらのプレハブで暮らしています。四川省の地震は本当にお気の毒ですし、なんとか応援したいと言う思いはありますが、一方で私たちの同胞もまだまだ地震の被害から立ち直っているとは言えません。
情報化社会と言うのは、古い情報をどんどん忘れさせ、風化させる社会でもあります。柏崎も、もちろん中越も、まだまだ復興の途中です。外国に目を向ける前に、国内のこうした事情をしっかりと把握して、一時的な報道に流されずに対応をしてゆかなければなりません。
同時に、東海地震もいつ来るか分からないので、復興支援に汗を流すこともやり、その後の復興状況を見守りながら、自分たちの地域に活かしてゆけるようにしたいと思います。
翌日は、原発に行きました。ご存知のとおり、柏崎は800万キロワット以上の出力を誇る、世界最大の原子力発電所です。7基の原子炉が現在すべて止まっていることは、ある意味ではチャンスで、普段は見る事が決してできない管理区域についても見せて頂くことができました。運転中は火災防止のために空気を抜いて窒素を充填していたり、温度が200度ほどになっている場所も、今回は見る事ができました。
まず驚いたのは、原子炉の小ささです。直径4~5メートルの原子炉で、130万キロワットほどの出力を出しています。今回は原子炉そのものを目視できましたし、せっかくですので・・・放射線の影響で、頭が良くなるかな・・・と期待しつつ・・・原子炉格納容器の中に頭を突っ込んできました(笑)。もちろん、燃料棒はすべて抜き取られているからですが・・・。
それから発電用のタービンも、解体されて一枚一枚検査されていましたので、現物を見せて頂くことができました。巨大なタービンでしたが、これは2次タービンとの事。1次のもっとコンパクトなタービンで、出力の60%を出して、残りの蒸気を3機の巨大タービンにあてて、40%を出すとの事。ほう・・・と思いながら、見させていただきました。
タービンの羽なども鉄製とのことでしたが・・・これらをチタンなどの新素材にすれば、もっと効率は上がるんでしょうね。こうした分野は日本の得意な領域です。さらには、プラスチックの活用なども今後の課題かもしれません。
余談ですが、日本はなぜか明治時代からの負の遺産で、関東は50ヘルツ、関西は60ヘルツとなっています。静岡にいたっては、県内に50と60の境目(富士川)があり、混在している状況です。ご存知のとおり、富士川以西は中部電力、以東は東京電力です。
まずはこれを統一すべきですね。そうすれば、各社の電力融通がもっとやりやすくなり、電力自由化(私はあまり意味がないと思っていますが・・・)の効果もずっと大きくなります。
それと同時に、現在100ボルトですが、これを200ボルト程度まで上げられれば・・・電力を送る事による損失が減らせます。日本全体で考えれば、相当なエネルギー節約につながることでしょう。
さらに、エネルギーマイレージと言う発想を作れないかと思っています。フードマイレージと言う言葉は聞いた事があると思いますが、日本は諸外国と比べて圧倒的に長い事がひとつの問題になっています。地産地消を進めなければなりませんね。
同じ発想で、電気も地産地消。その方がロスも少なくて、環境にもやさしい。一番いいのは、自分の家の屋根で発電して、自分で使うことですね。こうした事も含めて、国内のエネルギーポートフォリオをどうするのか、どういう考え方で組み立てるのかと言うことを再点検する必要がありますね。
で・・・少し戻って・・・この800万キロワットが止まって、もうすぐ1年になろうとしているわけですが・・・夏を乗り切れるんでしょうか?ご存知のとおり東京は、人口も増えているし、エネルギー消費も増え続けています。
日本においては、「原発は科学」というよりも、「原発は政治」ですから、今年の秋の新潟県知事選挙がどうなるか、どういう争点になるか、ということが大きく影響するようです。だから・・・結果が出るまでは大きなアクションを起こせない・・・と考えるのがこれまでの常識ですが、私は選挙こそ民意を聞き、県民に考え方をぶつける一番のチャンスですから・・・逆に東京電力も、どんどん争点にしてもらえるように、声を上げる方が、誠実だと思います。
それにしても・・・柏崎の人は、自分たちのところにある原子力発電の電気を使っていないんですよね。北陸電力ですから。
東京電力にとっては、ものすごくご理解があって、ありがたい話だと思います。
私はこうした大事な問題をぜひ争点にして、地域の判断を仰ぐべきだと思っています。
今回もいろんな事を考えましたし、いろんな点について勉強になりました。なかなかすべてをブログで紹介できないので残念ですが、いろんな機会にお話したいと思いますし、これからの静岡の安全・安心に関する政策に活かしてゆきたいと思っています。