
〔敗北した片山虎之助参議院幹事長 日経ネットより〕
参議院選挙の結果が出ました。
自民党の大敗となりました。
まず最初に申し上げたいのが、「今の日本に一番大事なことを、もっと争点に
してほしかった」ということです。
確かに年金問題は大事な問題です。それに「政治とかね」は国民の信頼をなくす
最大の政治の汚点だと思います。
でもそれ以上に、国政は「国際社会の中での日本のあり方や姿勢を決める場所」
であり、「日本社会の根本的なありかたを決める場所」ですから、北朝鮮外交
などに見られる「アジアの政治的イニシアティブ」を日本が握れなくなってきて
いる問題や、いつまでたっても改善されない年間3万人が自殺する問題、また
止まらない少子化、経済のありかた(アメリカ型資本主義を進めるのか、欧米型
に近い日本型資本主義を定義し進めるのかなど)の問題、医療格差や中小企業
の問題、地方分権と地方格差の問題など、もっと議論することがあったと思います。
しかしそれらが、ほとんど議論されなかったことに、非常に残念な思いをして
います。
そうした中、自民党の敗因を考えると、もちろん年金、松岡大臣、赤城大臣など
いろんな理由があると思いますが、私は大きな理由のひとつが「安部内閣が
軽すぎる」と言うことだと思っています。
その根拠が、自民党支持者ですら数割が民主党に流れていることです。
安部内閣の中で存在感のある閣僚は数名で、目立つ人は「この人で本当に大丈夫?」
と思える人が多いのが事実です。やはり与党なら、与党らしい信頼感・安定感が
大事だと思います。「あれじゃあまるで野党が政権をとった時みたいな内閣だ」
というのは私の知人でバリバリの自民党の方のご意見。
なるほどそういう見方もあるか、と思いました。
しかし・・・面白いと思ったのは、民主の小選挙区の候補者がいない静岡7区
(城内さんと片山さんが熾烈な争いをしているところです)で、圧倒的に
榛葉さんが勝っていることですね。
ここは田舎だから自民党が強いと言われていたんですが、どうやらそうでも
ないようです。
国会議員の候補すらいないのに、これだけ出るとは、正直びっくりしました。
この票が今後どのような動きをするのか、少し注目ですね。
さて、実際問題としては、参議員は政権を選ぶ選挙ではありません。
首班指名は衆議院で行いますし、参議員からは少数の大臣しか出ません。
その反面、参議員の怖さは解散が無く、今回の負けを取り返すのには6年かかる
ということです。
私は今回の選挙が、「参議員改革」のスタートになるのではないかと期待して
います。
今の状態(参議員は衆議院のカーボンコピー、つまり新しい議論が出るわけ
でもなく、ただ衆議院と同じ議論を粛々としているだけ)なら、参議院はいらない
と思っています。
まずは「良識の府」として、くだらない党利党略をもちこまず、良識ある議論を
する体制を作っていただきたいと思います。
私の期待は、実はその先です。
自民党が過半数割れをし、片山とらさんも落ちたところで、「いよいよ衆参合併
して、一院制にしようではないか」という議論が出てこないかと期待しています。
参議院を廃止となると、参議院が全力で反対しますから、そうではなくて衆参を
合併して一院制にする。暫定的に700人の議員となるが、次の改選で400人
程度まで削減すると言うものです。
政権を持っている自民党としては、参議院でバンバン否決されればかならず
参議院が邪魔になってくるはずですし、民主党としても実権を握っているのは
衆議院ですから、この点で合意ができないかと思っています。
今後の流れについてはわかりませんが、安部総理は留任したいと言っているようです
が、近々退陣することになるでしょう。日本人は潔いのが好きな民族です。留任して
次期衆議院を戦えるでしょうか?当然戦うことはできません。それなら、後日再登場
が待望される日を信じて、退任するのが筋だと思います。
今回の参議院で思ったことをいろいろ書かせていただきましたが、県議会のほうも
しっかりとやらなければなりませんね。
明日は、伊豆の国道136号(県管理の国道です)が崩落した現場を調査してきます。
新潟・柏崎の地震とあわせて、後日報告させていただきます。